最近涙したこと
最近涙したこと。
親友が遠い遠い街、東京へ行ってしまうこと。
彼女には成し遂げたい、挑戦したい仕事がある。
そして何にも変えがたい愛する人がいる。
それらがたまたま東京にあるのだ。
彼女のこれまでの恋愛のことなんて、多分親友の私が1番知っている。
細かいことは知らないかもしれない。でも恋愛をするその場面場面に私はそばにいて、喜ぶところも涙しているところ、素直になれず苦しんでいる、そんな彼女を見てきた。
沢山の『訳あり』を乗り越えて、約一年の遠距離恋愛に晴れて終止符を打ち、
やっと彼の側に身を置ける日がくるのである。
大変嬉しいことなのである。
24歳になった私にはきっと遠距離恋愛なんて相手が誰でも出来る自信が微塵もない。ただでさえ近い距離にいた男一人とも上手くやれない私が、出来るわけがない。
彼女とは同じ射手座と言う名の元に生まれたが、彼女はそれをやってのけた。
自転車を漕いでいる時、それはそれは妙に険しい顔をしているのだが(こんなの読んだら怒る)、
それはそれは柔軟で可愛らしさもたくましさも兼ね揃えている。
そりゃあ、東京に来いよって彼も言いたくなるわ。
同性の私ですら居心地がいいし、安心感もある。
そんな彼女からもらった転職と転居の報せ。
遅かれ早かれこの日がくることは分かっていたし、心の準備もしていた。していたつもりだった。
でもいざその報せを読むと、たまらなく涙が出た。
彼女のことを思ってここまで涙したことがこれまであっただろうか。彼女は泣いてくれたことがある。でも自分はどうだろう?思い返してもきっとなかったと思う。
当たり前が当たり前ではなくなる、という感覚だろうか。
大好きな彼から別れを打ち明けられるような、心臓が一瞬でキュッとなるあの感覚。
私は彼女に本当に甘えていたことにやっと気づく。
彼女はいつも私に相談する度、どんだけゆうねん!ってくらいお礼をしてくれるのだが、
そんな当たり前すら疎かにしていた自分が堪らなく憎く思えた。
当たり前なんてないことを24歳にしてまだ理解していない。愚かである。
彼女が側にいてくれたこと、助けてくれたこと、一緒に喜んでくれて、男にフラれた私の為にご飯を振舞ってくれたこと、コーヒー1つで何時間だって話せたこと。
彼女が私にしてくれたこと、今鮮明に思い出される。
同じ日本、少し距離が離れるだけで私たちの関係はなんら変わらない。
女の友情なんて会わなければすぐに切れる、なんてゆう人も少なくはないが彼女とはそうなるようには到底思えない。まず考えたことがないのだ。
目には見えないがそれくらい絶対的な何かで繋がっている。射手座ってすげぇんだぞ。
彼女は結婚が決まったわけでも、より遠くに行ってしまうわけでもない。
でも素直に寂しいのだ。
じゃあ結婚なんてことになったら、私どれだけ泣くのだろうか。今から想像するだけで怖いわ。
旅立つまであと1ヶ月半ほどある。
ここでやりたいことを彼女とぜひやってのけたい。
そして笑顔で送り出したい。
彼女の門出を。